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2025年10月27日
コラム
「正面のない建築」金沢21世紀美術館
©金沢市 ■金沢21世紀美術館
初金沢ということで足を延ばした美術館。 記憶を遡れば、コンペ案を見た時(1999年~2000年くらい?)の私は、平面計画をこのような考え方で進めてもよいのかと、気づきを与えられた建築でした。
当時の建築学生の間では、日本のみならず欧州でもSANAA旋風があり、このコンペ案のみならず、アルメラ・スタッドシアターからの一連の計画案に妙な説得力を感じたことをよく覚えています。
ダイアグラム建築などと揶揄されたこともあったようにも思いますが、敷地の三方が道路に面し、それぞれに重要な建物や史跡があり、それらとの関係性も踏まえれば、い かに全方位に開かれた正面のない建築をつくるための円形だったのか、ということがよく理解できます。
円形の平面の中に大小さまざまな矩形の箱(展示室)がばらまかれ、中庭と箱、パブリックスペース、管理スペース、展示室が混在し、自由に通り抜ける人、ラビットチェアに佇む人、鑑賞する人、あてどなく歩く人が入り混じる室内風景は、街と地続きの美術館だということを如実に物語っていました。
幾何学性の強い建築を取り囲む、柔らかく起伏に富んだランドスケープも素晴らしく、兼六園を抜けて自然にアクセスする方もさぞかし多いことでしょう。
鷲田めるろ館長のご説明も拝聴でき、貴重な体験でした。
金沢21世紀美術館、ありがとう。 (村重 談)
■金沢21世紀美術館ホームページ https://www.kanazawa21.jp/ 2025/10/22
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